なぜ日本語教師になりたい?日本語のおもしろさに気付いたばあば④ かわいい間違い「とうころもし」
さあちゃんの かわいい間違い「とうころもし」
4歳になったばかりの孫の「さあちゃん」は、おしゃべりがすき。
ママの里帰り出産のため、いっしょに実家に帰ってきている。
どんどん話し、いっぱい間違え、どんどん言葉を覚えていく。
その間違いが、愛おしくて愛おしくて、キュン。
定番の「とうころもし」。いろいろなパターンがありますね。
そんな1コマ。
「ポップコーン」を「コップコーン」
「まず」を「まじゅ」
「どうぶつえん」を「どうぶちゅえん」
「さんま」を「サンバ」
「画鋲」を「ぎゃぼお」
「♪鬼はこっそり逃げていく♪」を「♪そっくり逃げていく♪」
次々にかわいい間違いが生まれていて、そのたびにキュンキュンしています。
我が子のときには、毎日が必死で寝不足で、そんな余裕がなかったですね。
言葉の「線条性」という性質、
間違いの一つ「音位転換」
言葉には線条性(発声した順番に認識されて意味をなす)があります。
「こ・ん・に・ち・は」を「に・は・ん・ち・こ」と言っても通じませんよね。
線条性って、そういうことだそうです。
ただ、コミュニケーション場面で、伝え合えるものは、音だけではありません。
その時の状況や相手の表情なども、大きな役割を担いますよね。
「とうもろこし」が「とうころもし」になっても、聞いていてすぐに理解できるのは、なぜ?
その場に「とうもろこし」がある状況だったり、過去に同様の間違いを聞いた経験があったりして、脳が推測をして理解していくのでしょう。
「と・う・こ・ろ・も・し」のように、順番を間違えるということは、大人でもあります。
「雰囲気」は「ふんいき」ですが、「ふいんき」と言ってしまいますし、通じます。
外国の人が日本語を使うときにもよく起こる間違いですね。
友達(アメリカ人)が、「新鮮館(近所のスーパー)」を「し・ん・か・ん・せ・ん」と間違えたことがあります。
「昨日、しんかんせんに行ったよ。」と言ったときには、一瞬分かりませんでしたが、すぐに理解しました。
このように音が入れ替わってしまうことを「音位転換」というようです。
日本語教育能力検定試験の勉強をしていて知りました。
語の中で、音が入れ替わる現象のこと。例えば、現在用いられている「新しい」は「あらたし」からの音位転換によるもの。また、「山茶花(さざんか)」も「さんざか」からの音位転換の例である。
(『日本語教育能力検定試験に合格するための用語集』アルク)
「秋葉原」は、もともと「あきばはら」だったそうですが、今は「あきはばら」で定着しています。
言いやすいので、みんなが間違うようになって、それが正しい日本語となったのですね。
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なぜ日本語教師になりたい?日本語のおもしろさに気付いたばあば③ 孫のかたづけ
さあちゃんは お片付けがきらい
もうすぐ4歳になる孫の「さあちゃん」は、お片付けがきらい。
ママの里帰り出産のため、いっしょに実家に帰ってきている。
遊び部屋での1コマ。
ばあば:「さあちゃん、そろそろ片付けよう。」
さあ:「ぃやっ!」
ばあば:「ママー、お片付けお願いしまあす。もうすぐお友達が来るの。」
さあ:「はあい!早くお片付けしなくっちゃ。」
ばあば:「たいへん、たいへん。ママー、このお皿はどこに置くの?」
さあ:「はいはい。お皿は、ここね。」
突然、お母さん役になった「さあちゃん」は、せっせとお片付け。
ママから聞いていた作戦、大成功!
でも、この作戦、多発するとばれちゃう。
ばあば:「ママー、お片付けしてくれる?」
さあ:「いやっ!ばあばがして!」
ばあば:(・・・失敗・・・)
「ネガティブ・ポライトネス」+ロールプレイングの成功例。
多発で失敗したのは、ロールプレイングに上手く誘えなかったからかな。
「ネガティブ・ポライトネス」とは
“言語人類学者のブラウン&レヴィンソンによれば、すべての人には「自分のフェイスを傷つけられたくない」という強い気持ちがある。その気持ちを尊重するためにポライトネスが行われる。” (『日本語教育能力検定試験に合格するための用語集』アルク より引用)
だから、そのフェイスを傷つけないように気を付けて、相手との関係を良好に保つための言葉を使うということですね。
「ネガティブ・ポライトネス」の例として、さあちゃんにどう話しかけるとよいのか考えてみました。
・「慣習にもとづいて間接的に話す」→お部屋がきれいになると、気持ちいいよね。
・「要求ではなく、質問の形で話す」→お片付けしない?
・「あやまる」→ごめんね。いそがしいよね。でも、片付けもしないとね。じゃましてごめんね。
・「負担を最小化する」→お皿だけ片付けて。あとは、ばあばが片付けるから。
みたいな感じですかね。
25種類もあるって書いてあったので、いつかゆっくり調べてみようと思います。
「ポジティブ・ポライトネス」の例としては、「いいね。」「分かるわ。」などのあいづちや、冗談を言って雰囲気をよくすることなどがあります。相手の「人に認められたい」という気持ちを満足させるような言葉を使うということですね。
どちらも自然に使っていましたが、日本語を勉強しているおかげで、「なるほど!」と思うことが次々に出てきます。
日本語っておもしろい!
まごっておもしろい!
追伸:私にはもう大人になった4人の子どもがいます。
子どもたちが小さい頃、片付けについて思い出すと、「ネガティブ・ポライトネス」も「ポジティブ・ポライトネス」も一切使っていなかったなと、非常に反省しています。
「早く片付けなさい!」と怒るだけでした。
「早く用意しなさい!」「早く宿題しなさい!」「早く食べなさい!」・・・・・
我が子たち!ごめんね。
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なぜ日本語教師になりたい?日本語のおもしろさに気付いたばあば② 「低い」は「下い」?
孫の「さあちゃん」 形容詞を作り出す
もうすぐ4歳になる孫の「さあちゃん」は、とてもおしゃべり。
里帰り出産で実家に戻ってきています。
個包装の小さいラムネのお菓子を隠してもらい、見つけては喜んでいました。
高い所のラムネは、すぐに見つけられました。
低い所に隠した最後の1つが、どうしても見つけられなかったのです。
ママにヒントを求めたら、
ママ:「高い所にはないよ。低い所を探して。」
さあ:「下い?下いってこと?」
「さあちゃん」は、「上」や「下」という語をすでに知っていて、自分でも使うことができます。
「高い」という語は、絵本に出てきたキリンの背が高いという話をしたとき、意味が分かっていました。
「低い」という語は、まだ知らなかったようです。
「高い」のは、「上」の方だから、「低い」のは「下」の方だと、「さあちゃん」なりに考えたのでしょう。
だから、「低い」を「下い」と言ったにちがいないのです。
既知の言葉から、自分なりの形容詞を作り出したということ!
なるほど!こうやって言葉を覚えていくんですね。
名詞より 形容詞の方が難しい
「さあちゃん」は、「ポップコーン」を「コップコーン」、「こうもろこし」を「とうころもし」と言い間違います。
でも、「ポップコーンおいしいね。」と、「ばあば」が何度も言えば、「さあちゃん」も「ポップコーンおいしいね。」と言えたりします。
「まぶしい」ことを「ばぶしい」と言ったときがあります。
言い間違いだけなのか、意味を勘違いしているのかは、「ばあば」には分からなかったです。
確かめたいと思っても、なかなか同じシチュエーションにはならない。今度はいつ「まぶしい」を使ってくれるのでしょうか。
ああ、そう言えば。名詞の英単語はすぐに覚えられたし、使えました。
でも、形容詞の英単語は、覚えられても使い方が難しかったです。
日本語と英語。
違うことは多いけれど、共通していることもあるんですね。
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なぜ日本語教師になりたい?日本語のおもしろさに気付いたばあば①
こんにちは。日本語教師をめざしている現役小学校教師です。
今年10月に60歳になりますので、来春に退職します。
退職したら、年金支給の始まる65歳までをどうしようか思い悩みました。
貯金を取り崩して生活するのでは、あっという間になくなってしまいます。
収入のないときの苦しさは、育休をとったときに実感しました。
再任用の道もあるので、週3日くらいならできると考えていましたが、
採用枠がフルタイムのみとなり、あきらめました。
時間外勤務が、月平均60時間くらいで、多いときは94時間の月もありました。
コロナ禍でこれですから、以前のように休日のスポーツ大会などに児童を引率したり、そのために放課後練習をしたりが加わったら、いったい何時間働くことになるのでしょうか。60歳を過ぎて、自分がそんな激務に耐えられるとは思えません。
また、私には入退院を繰り返している義父と実父がいました。
昨年亡くなってしまいましたが、いつ自宅での介護が必要になるか分からない状況でした。
私が退職するまで、なんとかがんばってと願いながら、毎日を過ごしていました。
介護をしながらでも、収入を得る方法として、オンラインで何かをするのが1番よいと思うようになりました。
友達にオンライン日本語教師をしている人がいて、「退職後、日本語教師したらいいんじゃない?」と勧められたこともあったので、まずは日本語教師について情報を集めることにしました。
YouTube で検索し、最初に見たのが、「はま先生」です。
【最速】日本語教育能力検定試験に独学で合格する方法【過去問に始まり過去問に終わる】 - YouTube
そこで、プロの日本語教師になるためには、
3つの方法があるということを知りました。
- 日本語教師養成講座420時間を受講する
- 日本語教育能力検定試験に合格する
- 大学や大学院で日本語教育を専攻する
田舎に住んでいて教師をしながら①の養成講座を受けるのは無理だし、
かかる費用も高い!
大学で「日本語」の専攻はしていない。
ということで、②の検定試験合格をめざすことに決めました。
次回は、まごの「さあちゃん」のかわいい日本語について書きます。
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